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残穢【ざんえ】 -住んではいけない部屋-は日本ホラーの秀作です!

投稿日:2018-05-22 更新日:

残穢【ざんえ】 -住んではいけない部屋-

アイドルが主演のジャパニーズホラーとは一線を画す、実力派俳優のキャスティングで安心して見られる作品です。じわじわと迫りくるような恐怖を感じることが出来るのが良いですよ。

「穢れ」という得体の知れないものが、土地を汚染している怖さは、今後、住む場所を選ぶ際に影響しそうなので、見なければ良かったという後悔も少し。笑

ちなみに、huluと、アマゾンプライムビデオで配信されています。(2018年5月現在)

「残穢」のシリーズ作品が「鬼談百景」なのですが、順番としては「鬼談百景」→「残穢」という流れで観るほうが良いですね。(鬼談百景はアマゾンプライムビデオのみ配信)

というのも、この2作品のストーリーテラーは、読者からの投稿をまとめて短編を作っている作家・「私」なのですが、

さまざまな投稿をひとつづつ作品にしたのが「鬼談百景」
鬼談百景の集大成として「残穢」がある

という構成になっているからです。

もちろん、「残穢」だけを観ても内容はちゃんと理解できるので問題なしですよ!




残穢【ざんえ】 -住んではいけない部屋-のあらすじ

残穢【ざんえ】 -住んではいけない部屋-

編集者の田村が持参した読者からの投稿の中に、女子大生・久保さんの手紙があった。

その内容は「部屋から何かの音がする」というもので、大学のミステリー研究会に属している彼女は、自分なりにその原因を探ったらしい。

すると、自分の部屋である202号室だけでなく、複数の部屋で事件が起きていることがわかったと言う。

「私」と久保さんは共同で調査をすすめていくことになった。そして、作家の平岡芳明、オカルトマニアの三澤徹夫の協力を得ながら真相にせまっていく。

不可思議な事件の原因は、その土地にあることを突き止めた彼ら。ところがその途中で「穢れ」に触れてしまう。

キャスト

私:竹内結子
久保さん:橋本愛
三澤徹夫:坂口健太郎
私の夫:滝籐賢一
平岡芳明:佐々木蔵之介
担当編集者・田村:山下容莉枝
担当編集者・河田:松林慎司
山本:成田凌
奥山家当主:吉澤健
写真店店主・田之倉:不破万作
秋山さん:十貫寺梅軒
高野トシエ:塚田美津代
中村美紗緒:周本絵梨香
真辺さん:平野貴大
住職・國谷氏:上田耕一

スタッフ

監督 / 演出:中村義洋
原作 / 脚本:小松由美子 / 鈴木謙一
2016年1月30日公開
1時間46分

残穢【ざんえ】 -住んではいけない部屋-を観た感想

残穢【ざんえ】 -住んではいけない部屋-

そもそも「残穢」って何だ?っていうところから興味を持った作品だったんですが、読んで字のごとく「残った穢れ」っていう意味なんですね。

いわゆる因縁のある土地にまつわる内容なんですが、何がコワイって、悪意のある生きている人間と因縁のある土地ですよ。

オカルト好きには有名な話しなんですけど、某掲示板で立った、「神戸市北区にある家を『無料でもらってください』」というスレッドが話題になったことがあります。

この「残穢」を見終わったあとに、真っ先に思い浮かんだのはその話しでした。

内容は全く違うんですが、「得体の知れないものがその土地に固執している」という点で一致してるんですよね。

作家の「私」とミステリー研究会所属の久保さんは、その調査能力の高さのおかげで、どんどん真相に迫っていくわけですが、真実を知るまでやめられないという感覚が、時として自分たちを窮地に追い込んでしまう結果をもたらすことは、反面教師として捉えるべきなのかもしれません。

これはオカルトだけに限らず、実社会でも同じですよね。

真実かどうかは別にして、密かに暗殺されたという噂の官僚や役人の話しなどを耳にすると、「あぁ、触れてはいけない領域にまで足を踏み入れてしまったんだな」と思ってしまいますし。

実体を持つアサシンも、実体のない怨霊も、両方怖いですよね。好奇心や正義感はほどほどに持っておくほうが、長生き出来るのは間違いなさそうです。笑

さて、肝心の作品の内容ですが、ホラーファンでもじっくり楽しめるものになっていました。

大きな音などで驚かすこともなく、血しぶきが出まくるわけでもなく、ストーリーの内容で恐怖を感じさせるところは、日本ホラーの良心を感じましたね。

唯一残念な点は、怨霊のような黒い人型が部屋の奥から這い出してくる部分でした。

CGがチープなせいで、恐怖感が半減どころか、「CGまるだしやん!」ってつっこまざるを得ない状況になってしまいましたから。(゜_゜)

ライティングやロケ地の選択、小道具など、しっかり作り込まれた作品で好感をもっていたのに、あのCGが大きなマイナスポイントになっていました。

あと、登場人物たちが、呪いの元となった真辺家を訪れるんですが、なぜわざわざ夜に行くんですかね~?

肝試しではなく、調査なんですから、昼間に行けばいいのに。

まぁ、ホラー映画のクライマックスが晴天のお昼間だとサマにならないというのはわかりますけど、リアルを追求するのなら、やっぱり昼間ですよね。笑

残穢【ざんえ】 -住んではいけない部屋-のネタバレ

残穢【ざんえ】 -住んではいけない部屋-

Mさんが小学生の時、九州の親戚の家に泊まったことがあった。没落した炭鉱王の土地を買って建てたという古い家だった。

そこには、かっぱのミイラがいると言われていた。

夜中のこと。普段、母から決してはいるなと言われている部屋から、地鳴りのような音が聞こえてきた。

ふすまをあけると部屋の奥から、黒い影が這い出てきて、焼けただれたように腕が見えた。

作家である「私」は、半年前から怪談雑誌に連載をもち、読者からの手紙を元に、上記のような短編を発表していた。

2012年5月。

来月分の原稿を書くために、いつものように担当編集者の田村さんから、奇妙な体験を記した読者からの手紙を受け取った。

受け取った手紙の中に、都内の大学で建築デザインを学ぶ久保さんという女子大生からのものがあった。

郊外のとあるマンションの202号室に引っ越したばかりの久保さんは、ある時から、和室の中で何かが畳を箒で掃くような音を聞くようになったらしい。

その年の秋。

久保さんから話しの続きが書かれた手紙が届いた。

和室に身体を向けているときは、その音が聞こえないことに気づいたが、視界に入ると気になるので、扉を締めておくことにしたと言う。

ところが、扉を閉めた途端、何かが倒れる音がしたあと、いつもの畳が擦れるような音がしたので、勇気を出して扉を開けてみた。

すると、帯が引きずられるように空間に消えていくのが見えたらしい。

「私」とのメールのやりとりの中で、久保さんが「和服姿の女性が首を吊って揺れている」シーンをイメージしていることがわかった。

「私」は、以前にも同じような手紙を読んだ気がして、過去の手紙を調べてみた。

見つけた手紙の住所を確認すると、「東京都小平市塚田6-21-10 岡谷マンション405」となっており、久保さんと同じマンションの住所だった。

2年前に届いたその手紙の内容を確認すると、何かが床を掃くような音がし、幼い娘が虚空を見上げ「ブランコ」と言う・・・という内容だった。

202号室と405号室で同じ音がするのが非常に不可解なので、久保さんは住人にいろいろと話しを聞いてみることにした。

すると、特に変な噂は聞かないものの、202号室を405号室の入居者の回転は早いほうだということがわかった。

不動産屋さんに確認すると、マンションが建ってから、どの部屋でも自殺などはなかったと言う。

ある日。

となりの201号室に飯田という親子3人家族が引っ越してきた。

相場より家賃が安いことをいぶかしがる飯田氏だったが、久保さんは不動産屋さんに確認したとおり、このマンションには何もないことを伝えた。

半年後。

「私」のもとに、202号室の前の住民の消息がわかったと、久保さんから連絡が入った。

その人は、ベイシア電器に勤める梶川という男性で、1年前に亡くなったらしい。

同僚によると、岡谷マンションに入居した頃から急に人が変わったようになり、伊藤さんという女性が大家さんをしているアパートに引っ越してから自殺したらという。

伊藤さんは、「このマンションに赤ん坊がいないことがわかった梶川さんは、すごく安心していた」と語った。

そして、自殺したと思われる前夜、伊藤さんの枕元に立ったらしい。

残穢【ざんえ】 -住んではいけない部屋-

梶川さんが自殺した部屋には今、事故物件は家賃が安いという理由で、山本という男性が住んでいる。

久保さんは、梶川さんが岡谷マンションの部屋に戻ってきたことが、あの音の原因だと考えているが、「私」は時期が違うことや亡くなった状況が違うことなどから、「着物の女性が梶川を呼んだ」と考えている。

久保さんが家に帰ると、隣の飯田の奥さんが「このあたりに空き巣とか放火とかの事件は起きていないか?」と尋ねてきた。

ここに引っ越してきてから、変なイタズラ電話が多いと話すその表情は、やつれて疲れ果てていた。

いつも公衆電話からかかるその電話に出ると、男の声で質問をしてきたあと、言葉とも言えない言葉を発するらしい。

久保さんは、その話を聞いて、部屋ではなくマンション全体の影響なのでは?と考えた。

「私」は、恨みつらみがその土地に残ることについて、半信半疑でいる。

「私」は岡谷マンションの久保さんを訪ね、マンションが建つ前のことについて、地元住民に話しを聞いて回ることにした。

その結果、マンションが建つ前のその土地の状況が少しづつわかってきた。

メモ

・2001年:駐車場
・1991年:空き地+片隅に小井戸泰志邸
・1987年:松坂邸+藤原邸+根本和秀邸+小井戸泰志邸

岡谷マンションのお向かいの益子家の家族によると、小井戸はゴミ屋敷だったとのこと。

小井戸泰志さんは高齢の男性で、ひとりで暮らしていたらしい。

小井戸泰志さんが亡くなっているところを発見した、当時の町内会長である秋山さんに話しを聞きに行った。

残穢【ざんえ】 -住んではいけない部屋-

その話をまとめると、下記のようなものになった。

  • 小井戸泰志さんは隙間が嫌いだと言っていた
  • 1992年7月、町内会費を集金に行くと、ゴミの山の上で亡くなっていた。死後2週間、死因は病死
  • 根本さんのおばあちゃんはアルツハイマーで、床下にネコがいると言い、縁側に寝転んで耳をつけて、縁の下にに餌を投げ込んだりしていた
  • 藤原さんの家は人の入れ替わりが多かった
  • 藤原さんの前にいた川原さんの息子が問題児だった
  • 高校生だった川原さんの息子は、母親を階段から突き落とす、布団に火をつける、あちこちにイタズラ電話をかけていたなどしていたらしい

さらに、このあたりは、昔ながらの住人が少なく、流動性の高い土地だということがわかった。

久保さんが部屋に戻ると、お隣の飯田さん家族は引っ越していた。

後日。

「私」と久保さんは、地元で古くから写真展を営む田之倉さんに話しを聞きに行った。

  • 根本さんは大きな農家で、となりの藤原邸も根本さんの敷地だった
  • 小井戸さんと松坂さんは、もともと高野さんの敷地だった

田之倉さんいわく、「あのことがあるまでは、根本さんと高野さんの土地だった」。

古い白黒写真を出してきて聞かせてくれた話はこうだ。

『結婚式の披露宴がお開きになって、そこから娘を嫁ぎ先に送り出してから、夫婦で家に戻った。

奥さんが奥の和室に引っ込んだまま、なかなか出てこないので、旦那さんが見に行くと首を吊っていた。帯が畳に擦れる音がしていた。』

残穢【ざんえ】 -住んではいけない部屋-

高野家と親しかった日下部さん姉妹に話しを聞く。

  • 高野トシエさんとは姉がお花のお稽古で一緒だった
  • その関係で日下部妹も、娘の高野れいこさんと仲良くなった
  • れいこさんは高校卒業後、お勤めで家をでていた
  • 事件の年に戻ってきてから、トシエさんの様子がおかしくなりはじめた
  • ある日のお稽古の帰り道、「赤ん坊の泣き声がする。昨夜もずっと泣き声で眠れなかった。」と言うので「聞こえない」と返事すると「あなたも仲間なの?」と睨みつけてきた
  • れいこさんは、勤め先でよくない男の人にひっかかって妊娠したという噂があったので、そのせいかもしれない
  • トシエさんは、「赤ん坊が家の床から湧いて出てきて泣くんだ」と言っていた

「私」は久保さんの部屋に立ち寄り、2人でここまで調べたことを整理してみる。

岡谷マンション202号室の前住人・梶川さんがこの部屋で赤ん坊の泣き声を聞いていた。
高野家の跡地にあった小井戸家では、何かが聞こえたり見えたりしたかもしれない。

久保さんが例の部屋を見ながら言う。

「部屋を閉ざすと、ついつい物を投げ込むようになる。気味が悪いから取りに入らない。これが続いて病的になると・・・・小井戸家。」

そして久保さんは、高野夫人のことがわかったので、引っ越しを決めた。

「私」は、ここまでの話しをまとめてひとつの短編を書き上げた。その原稿を喫茶店で田村さんに手渡しながら、「まだ納得できない部分がいくつかある。」と話した。

高野夫人の自殺が、本当に娘の堕胎によるものなのか?
床の下から赤ちゃんが湧いて出るという言葉の意味

すると、偶然となりの席に座っていた作家仲間の平岡が、話に入ってきた。

残穢【ざんえ】 -住んではいけない部屋-

彼は、「別の話だと思っていたものをたどっていくと、根は同じだったということがある。そういう話は業が深く、取扱を間違えると酷い目に遭う。」と語った。

床の下の赤ん坊の話しについて、平岡の担当者が、とある怪談の話しを振る。そして、その怪談の場所は千葉の廃屋だと言う。

久保さんは新しい部屋に慣れたようだ。「私」もマイホームを建て、夫とともに新居への引っ越しを済ませていた。

「私」のもとに、平岡から資料が届いた。

それは千葉の廃屋の怪談の件を詳しく調べた資料だった。

1952年。とある千葉県の街で中村美紗緒という女が逮捕された。

異臭がするとの近隣住民の通報で、警察が調べたところ、床下から性別不明の赤ん坊の絞殺死体がでてきた。

さらに美紗緒の供述によると、以前住んでいた長屋でも、子供を生むたびに殺していたとのことだった。実にその数7人。

その長屋はすぐに取り壊され更地となり、1年後にその跡地に建ったのが、根本家と高野家だった。

高野家以前。

残穢【ざんえ】 -住んではいけない部屋-

ミステリー研究会のメンバーたちと事件を調べている久保さんは、「私」に尋ねる。

「高野夫人は、死んだ赤ん坊たちの祟りで死んだということですか?」

「私」は答える。

「祟られたというより『穢れ』に触れてしまったということかも。」

久保さんは、美紗緒の前にも誰かいるかもしれないと考えている。

そして、調査をサポートしてくれている研究会の後輩たちが、東京法務局・管内法務局に出向くと、長屋が建つ以前、その土地の所有者は「吉兼康蔵」という人物であることがわかった。

「私」の家。

新築祝いを持って高野が「私」の家を訪ねてきた。

彼は「明治43年・精神病者私宅監置の報告」のコピーを持参してくれた。

大正時代の調査結果に、吉兼家では精神病者を私宅監置していたことが記されている。いわゆる座敷牢に閉じこめられていたのは、吉兼友三郎という人物だった。

友三郎が15歳のとき、家族に殴りかかり、家に火をつけようとして拘束された。

彼は「恨みを言う声が聞こえて、それが『焼け・殺せ』と命じるのだ」と訴えて暴れることが続き、翌年、自宅監置が許可された。

高野は言う。

「座敷牢には便所もあって、友三郎はその穴から抜け出すこともあったそうです。」

友三郎は床下を徘徊するのを好んだらしい。

中村美紗緒は犯行の理由について「床下から命じられる声に従った」と供述していた。

高野が「これはとんでもないものを引き当てたかもしれませんよ」とつぶやいたとき、人が通ったときにだけセンサーでスイッチがつく玄関の明かりが点灯した。もちろん、そこは誰もいない。

吉兼家の墓を訪れた「私」と久保さん。

残穢【ざんえ】 -住んではいけない部屋-

床下の声を聞いていた人物は、4人いたことがわかっている。

友三郎
美紗緒
小井戸氏
根本家のおばあちゃん

寺の住職である國谷さんに話しを聞くと、「友三郎は過去帳に記載がない」とのこと。

さらに、下記のようなことを教えてくれた

  • お墓には友三郎さんは入っておらず、吉兼家で最後に記録に残っているのは「三善~みよし~」という女性
  • 三善は20歳で吉兼家に嫁いだ後妻さんで、友三郎にとっては5歳違いの継母にあたる
  • 二度身ごもったがいずれも流産
  • 本人は24歳で亡くなった

「私」が、過去帳の「婦人図一幅奉納す」という記述について質問すると、「三善の一周忌の際、絵をお預かりして供養したのだと思います。」と言う。

幽霊画ですか?と「私」が尋ねると、「いえ、キレイなお姫様の絵です」と住職。続けて「時折そのお顔が醜く歪むのです。」と話した。

「私」は、資料に掲載されている女性画の写真かと確認したが、住職は見たことがないのでわからないと答えた。

その絵は戦災で焼けたこと、三善の嫁入り道具だったこと、三善の実家が九州の福岡であることを教えてくれた。

「私」が高野に連絡すると、三澤という情報通がいると言う。

出版社で三澤さんと落ち合い話しを聞く。

残穢【ざんえ】 -住んではいけない部屋-

  • 奥山家の顔がゆがむ絵は北九州では有名。ただし、誰も見たことが無い
  • その顔が歪むときには必ず、ゴーゴーという風の音と、沢山の人のうめき声が聞こえるらしい
  • その歪んだ顔を見たものには、必ず呪いが降りかかると言われている
  • 炭鉱の事故以来、労働者たちの恨みによって顔が歪むようになったと言われている
  • 三善の実家である奥山家は、福岡で炭鉱を経営していた
  • 北九州は小さな炭鉱が多く存在したが、技術的な問題から事故が多かった
  • 奥山家の炭鉱でも100名以上が亡くなる火災があった
  • 中には逃げ遅れた労働者がいたが、鎮火するために坑道を防ぎ酸素の供給を断った
  • 奥山家は明治の終わりか大正のはじめ頃に途絶えたと言われているが、記録が一切ない
  • 「奥山家には決して触れてはならない。まつわる話しを聞いただけでも祟られる」
  • 定説では、奥山家最後の当主は家族や使用人たち、併せて20人以上を皆殺しにしたと言われている
  • その後、屋敷に火を放とうとしたが果たせず、近くの山で首をくくった
  • この惨劇も死んだ労働者たちの祟りだと言われている
  • どこからともなく黒い影が這い寄ってきて、その後当主が凶行に及んだらしい

「私」は、田村さんと顔を見合わせて、「その話は以前に書いています」と皆に伝えた。

その話は「河童のミイラ」という、Mさんが没落した炭鉱王の土地を買って建てた古い家での出来事の話しだった。

すると三澤が「このMさんって、真辺っていう人じゃないですか?」と尋ねてきた。

「私」が自宅に戻り手紙を確認すると、差出人は「真辺貴之」だった。

真辺貴之氏と会い、話しを聞く。

  • かなりの遠縁だったので、はっきりしたことはわからないが、あの家に河童のミイラがあったというのは事実らしい
  • 当時の当主は、幹男と言い、悪趣味なコレクターだった
  • 河童のミイラだけでなく、江戸時代のさらし首の写し絵、呪術に使う猿の手首などを嬉々として集めていた
  • 持ち主を祟るという日本刀もコレクションのひとつで、幹男はその日本刀で自殺した
  • その家はまだ福岡にある

福岡県北九州市某所。

残穢【ざんえ】 -住んではいけない部屋-

「私」たち4人は、奥山怪談の震源地である、廃屋になっている真辺家を訪れた。

「私」は数日前から持病の肩こりが悪化し、首にヘルニアがおこっているかのような痛みがあったが、医者には何も異常がないと言われていた。

高野が先頭になり、家の中を調べていく。

Mさんの母親が「入るな」と言い聞かせていた仏間の扉を開ける。正面に立派な仏壇。

奥へと続くそれぞれの部屋に神棚が祀ってあり、一番奥の部屋の壁には、おびただしい数の御札が張ってあった。

そして床には大量の血の跡。

「私」は、幹男氏が悪趣味なコレクターだったという話しはガセだったと気づいた。

神にも仏にもすがったが、事態はおさまらず、最後の手段として魔をもって魔を払おうと日本刀を手に入れたのだ。

奥山怪談の続き。

真辺家訪問後も、奥山怪談にまつわるエピソードが次々に見つかった。

奥山家の屋敷は北関東の旅館に移築されたが、そこの主人が火をつけて全焼している
奥山家の炭鉱跡地には、現在廃墟となったモーテルがあるが、ここに肝試しに入った若者グループが後に殺傷事件をおこした
幹男の長男は傷害事件を起こして、獄中で首を吊った
奥山家の欄間を買い取った家が愛知にあり、その欄間越しに仏間を覗くと地獄が見える
真辺家の息子が通っていた小学校には「呪いのクラス」という怪談が残っている

久保さんがテレビを見ていると、岡谷マンションの201号室に住んでいた飯田家の夫が無理心中を起こしたというニュースが流れていた。

久保さんは「私」に、もうこの件から手を引こうと申し出た。そして、今の部屋でまた音がすることも告白した。

残穢【ざんえ】 -住んではいけない部屋-

その後。

「私」の首の痛みは、20年以上前から患っていた湿疹に由来するものだとわかった。
久保さんが岡谷マンションに引っ越してきて2年、今は無事に就職した。
岡谷マンションの202号室はあれから3組が住み、今は空き部屋になっている。
「私」の家の電話が鳴る。公衆電話からの着信に受話器をとると、妙な男の声が話しかけてきた。
同時刻、また誰もいない玄関の明かりが勝手に点灯した。
出版社でひとり残って作業をしている高野の担当者・河田を、黒い影が襲う。
伊藤さんのアパートの梶川氏が住んでいた部屋では、高野夫人が出現していた。

吉兼家の墓があるお寺。

住職の國谷氏は、桐箱から取り出した絵を広げ、じっと眺めている。

それは顔がゆがむと言われている女性の絵だった。そしてその顔がゆっくりと変化していった。

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