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「私の男」衝撃の内容で心臓が泡立ちました【ネタバレと感想】

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私の男

「私の男」はアマゾンプライムビデオで観ることが出来ます

基本的に、邦画のすごいところというのは、こういったダークネスをかかえた作品をコンスタントに作り出せることだと思うんですよ。

決してハリウッドではなく、フランスや北欧っぽいじめじめした内容というか、観終わったあとにどっと疲れるようなヘビーな作品を作らせると、日本は世界でもトップクラスだと思います。

今回、アマゾンプライムビデオで観た「私の男」は、その最たる例で、二階堂ふみと浅野忠信という、「狂気を演じさせたらこの人!」というキャスティングも奏功して、重厚な仕上がりになっています。

原作は桜庭一樹氏の小説で、第138回直木賞受賞作らしいので、こちらも近いうちに読んでみようと思っています。

とにかく、モラルとか道徳心とかを捨てて観るべき作品です。




私の男・あらすじとネタバレ

私の男

北海道南西沖地震で、海に流された女の子・腐野花が、家族の中で1人だけ生き残るところから物語は始まる。

避難所に連れてこられた彼女を、親戚だという男・腐野淳悟が迎えに来て「自分が育てる」と引き取っていった。

淳悟には大塩小町という恋人がおり、周りはふたりが結婚するものだと考えている。

しかしながら、小町自身は、花の存在が心の何処かに常にひっかかっている。

成長した花は、腐野淳悟が本当の父親だと知りながら誘い、体を重ねる日々を過ごしていく。

ある日の朝、淳悟の家を訪ねたときに、小町の父親で地元の世話役の大塩は、淳悟と花との関係を知ってしまった。

このまま放置しておくわけにはいかないと、花を別の親戚に預ける算段を整えるが、花はそれを受け入れる気はない。

淳悟と離れ離れにならないためには、大塩をどうにかするしかないと花は考えた。

別々に暮らすように説得する大塩を流氷に誘い込み、岸から離れたところで、自分だけ海へと身を投げ泳いで岸までたどり着いた。

後日、大塩は流氷の上で氷漬けとなって発見された。

それを知った淳悟は北海道を離れ、花とふたりで東京に出てくるのだが、ある日、大塩の遺体発見現場から花のメガネが発見されたと、田岡が訪ねて来た。

花を守ろうとした淳悟は、思わず田岡を刺殺してしまう。

その後、魂が抜けたようになった淳悟を食べさせるため、今度は花が会社の受付嬢として生計を立て、相変わらず同居を続けている。

そんな生活も終わりを告げ、淳悟の元を出た花は、3年後に婚約者を連れてくるのだが・・・。

「私の男」はアマゾンプライムビデオで観ることが出来ます

私の男・キャスト

腐野淳悟:浅野忠信
腐野花:二階堂ふみ(子供時代:山田望叶)
大塩暁:太賀
章子:相楽樹
大塩:藤竜也
田岡:モロ師岡
大塩小町:河井青葉
花の同僚の受付嬢:松山愛里
尾崎美郎:高良健吾
大輔:三浦貴大: 花の婚約者

スタッフ

監督:熊切和嘉
再生時間:2時間9分
2014年公開
原作:桜庭一樹(第138回直木賞受賞)

私の男・感想「魔性の女を超越した女性・花」

私の男

この作品を見終わって強く感じたことは

  1. 魔性の女はトラウマや育った環境で生まれるのではないか?
  2. 男より女のほうが精神的にタフ

ということでした。

「実の父親だとわかっていて体をかさねる・・・しかも、誘ったのは娘のほうから」

これは、魔性の女という一言では言い表すことが出来ない、深すぎる業を感じざるを得ません。

北海道南西沖地震で、1人だけ生き残った少女は、あの日、何を思い何を感じたのか?

その感情の到達点が、道徳心を超えたところだったのは、「家族を作りたい」という、父・淳悟に対する彼女なりの答えだったのかもしれません。

それは、熟考した結果ではなく、細胞や遺伝子がそう感じたというほうが近いような気がします。

それでも、その状況が永遠に続くものではないと理解していたのか、尾崎美郎と交際を始めたり、淳悟の元を自ら離れていったりもするわけです。

花は精神的にタフすぎるなと感じたのが、大塩を殺害したあとの生活態度です。

平然と暮らしていたことから、花の「淳悟と離れるくらいなら、ほかのことは何でも無い」というメンタルが垣間見えました。

一方、田岡を刺殺したあとの淳悟は、身の周りの整理整頓も出来ず、ゴミ屋敷のような部屋で無気力で過ごしていましたから、花を守れればそれで良いとは思えなかったんでしょうね。

まぁ、普通は淳悟のほうがノーマルな反応だと思うので、花が異常なんでしょう。

ラストシーンに戦慄

異常という意味からも、究極にぞっとしたのがラストシーンですね。

花が家を出てから3年後、銀座のレストランで、花の結婚相手である大輔と淳悟が顔合わせしたときのこと。

となりで食事の注文をする大輔が横にいる状況で、テーブルの下で裸足の足を伸ばし、淳悟の足をなであげながら妖艶に微笑む花のその姿は、「私の男は永遠に淳悟だけ」というアピールだとも受け取れました。

ある意味おぞましいまでの感情を静かにたたえるその微笑みは、そのへんのホラーでは太刀打ちできないほどの戦慄をあたえてくれましたね~。

「子供の頃は、考えていることがなんでもわかったけど、もう何を考えているかわからなくなった」と尾崎美郎に話していた花ですが、3年という時間がそれさえも超越させたのかもしれません。

結婚後も、淳悟との禁断のつながりが続くことを示唆しているシーンは、本当に怖すぎでした(゜_゜)

「私の男」はアマゾンプライムビデオで観ることが出来ます

花は淳悟の体臭に惹かれていたのか?

私の男・浅野忠信と高良健吾

食事会で知り合った尾崎美郎が、花を自宅まで送ってきたとき、淳悟は尾崎美郎の体と指のニオイをかいで「お前じゃ無理だよ」とつぶやきます。

これはつまり、花が淳悟の独特の体臭に惹かれているということなのか、もしくは、DNAレベルでニオイを嗅ぎ分けて「一緒に生きていく存在」だと判断しているかなんだと思います。

おそらく後者の理由だとは思うんですが、花が選ぶパートナーとして選ぶ相手を、淳悟が明確に判断できるという事自体、強いつながりを感じますね。

そういう意味では、淳悟と花は親子や恋人よりもっと深いところで何かを共有しているのかもしれません。

「私の男」はアマゾンプライムビデオで観ることが出来ます

二階堂ふみという女優

私の男・二階堂ふみ

「フライドドラゴンフィッシュ」以来、狂気を醸し出すことの出来る俳優といえば、必ず浅野忠信の名前があがってきたように思います。

そんな彼を上回る狂気で対抗できる若手女優は、二階堂ふみくらいしかいないのではないでしょうか。

ヒミズで染谷将太とガチンコ対決をしていたときも、「愛する人への執念」という狂気を見せていましたが、今作品ではそれとは違った「愛のカタチ」を見せつけてくれましたね。

バカリズムとオードリーの若林氏が出演していたバラエティドラマ「住住」で共演していたときも、「二階堂ふみという存在自体から狂気を感じる」と思ってしまいましたから、これはもう、彼女が生まれ持った何かなんでしょう。

「私の男」はアマゾンプライムビデオで観ることが出来ます

まとめ

観終わったあとに、どっと疲れるほど体力を使う作品です。

家族で楽しく観る作品ではないですが、邦画が得意とする空気感は、海外映画では決して出せるものではないので、一見の価値ありです。

河井青葉と二階堂ふみの濡れ場も、作品の特性に欠かせないものになっているので、大人が見て満足出来る映画だと思います。

まぁ、大塩が乗った流氷が岸から離れていくシーンだけは、CGが安っぽくて興ざめしてしまいますが、その他のシーンは秀逸な場面が多く、しっかりと作品に入り込めるはずです。

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