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人外【書評】

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人外 書評

お金を出して購入するまでもないけど、読んでみたい・・・と感じる小説を、図書館で借りてみるシリーズです。

第三弾は、松浦寿輝氏の「人外」。

人外という言葉からくるイメージは人それぞれだとは思いますが、なんとなくホラーであったりSFであったり、そういう印象を持つ場合が多いんじゃないでしょか?

でも、その路線を期待した人は、その期待が大きく裏切られることになるでしょう。




人外の読後感

人外
最初、タイトルと表紙デザインを見たとき、六本木あたりで、業界人が少女買春をする話かと思った。(パツキンのジンガイのパイオツカイデーなチャンネーとザギンでシースー的なタイトルっぽくない?)

でも、ゼンゼンチガッタ。

作品自体は、 「人生とは自分自身を探す旅である」ということがテーマになっているとは思うけど、作者が何を描きたいのか、明確には伝わってこなかったなぁ。

その曖昧さを逆に捉えると、「小説という形態をとった哲学書であり、宗教書でもある作品」と言い換えることもできそう。(読み進めていくうちに、「人間とはなにか?」で始まった、高校の倫理の授業を思い出したし。笑)

基本的に、いろいろな作品にインスパイアされているのは間違いないと思うけど、 特に、カフカの「変身」や、村上龍のコインロッカーベイビーズの影響を感じたな。

ただ、畳み掛けるような文体は村上龍的でありながら、 表現自体が稚拙に思えてしまった。

わざと、背伸びした表現を使って、自分を賢く見せようとする人なのか?と感じたくらい・・・心の奥底からエネルギーが溢れ出してくるような表現をする村上龍とは、そのあたりが根本的に違うかな。

この作者さんは、 東京大学名誉教授まで上り詰めたうえに、詩人、フランス文学者という別の顔を持っているらしいけど、小説家には向いてない気がする。(芥川賞、 三島由紀夫賞 、 谷崎潤一郎賞 、 萩原朔太郎賞、 日本芸術院賞ほかのすごい受賞実績はあるけど)

唯一、なるほどな~と思ったのは、この世に生まれ落ちた人外が、日毎に経験値をあげたり、過去の知識を思い出すにつれ、ひらがな使いだったのが、漢字が増えてくるという表現方法。

キャラクターの成長を、仮名遣いの変化で表すのは、いかにも詩人って感じがして、ちょっと感動した。笑

でもまぁ、面白くもなんともない小説ってのが、正直な感想やけどね。

松浦寿輝作品の中で、最初に手にしたのがこの作品っていう時点で、この作家さんとは縁がない気がする。

いくら実績がすごくても、自分とは合う合わないがあるしね。

ってなことで、別作品はよほどのことがない限り、読むことはないでしょう。

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