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人喰観音 【書評】

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人喰観音

お金を出して購入するところまではいかないけど、気になるから読んでみたい・・・と感じる小説を、図書館で借りてみるシリーズです。

第五弾は、篠たまき氏の「人喰観音」。

やっぱり日本のホラー作品はいいですね!

じわじわと迫りくる恐怖というか、跡を引く怖さというか・・・・泣くほどの怖さではないですが、しばらくは頭の片隅に残ってしまうような怖さは日本のホラー小説ならではだと思います。

人喰観音の読後感

人喰観音

豪商と呼ばれた薬種問屋の大店が舞台。

その昔、人魚を食べ、不老不死となり、神通力(千里眼)をもつようになった女性スイ。そんな彼女は、その能力ゆえ、それまで住んでいた集落で疎ましがられるようになり、人柱として川に流されてしまう。

そして、瀕死の彼女を見つけた薬種問屋の病弱な長男が、屋敷の離れで同居を始めるところから物語が始まる。観音様のような容姿をしたスイと、家の者が織りなすエピソードは、時が経つにつれて、悲しい結末へと向かっていく。

大正~昭和初期の作品の雰囲気を携え、適度なグロとエロが絶妙なさじ加減で散りばめられた本作品は、「トラウマ」「人間のエゴ」「狂気」などを織り交ぜたホラーでありながら、底辺には、「悲しみにあふれた愛」が 絶えず流れ続けている。

個人的には、どの登場人物よりも、東方という行商人に惹かれる。

彼のキャラクターは、強いて言えば、

・蟲師のギンコの行動を、医者の化野が行っている

というイメージで、加えて、 立ち居振る舞いや受け答え、重要顧客の要望があれば非人道的なこともいとわないという姿勢が神秘的。

読み進めるにつれて、彼も老いないことが分かっていくので、スイと同類であることは明白。できればスピンオフで、東方メインの作品も読んでみたい。

個人的には「人魚」や「河童」など、民話や昔話に登場する和物の妖怪や空想上(とされる)の生物に心惹かれるので、一気に読み終えた。

怖すぎないホラーを求める人にはおすすめ作品です!

その他の篠たまき作品は、現時点(2021年4月)で3つだけなので、図書館でチェックしてみるつもりです。

  • やみ窓
  • まどい巫女
  • 氷室の華

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