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バター不足の続編放送【ガイアの夜明け】

投稿日:2017-06-14 更新日:

いつの頃からか世間はバター不足に陥っていて、どこのスーパーでも「マーガリンはあるけどバターは在庫が少ない」という状態になってましたよね。「お一人様一個のみの販売」というパターンも多かったですし。

最近でこそ状況はマシになっていますけど、その原因を理解しておかないと今後も深刻なバター不足が起きたときに対処できないのも確かです。

ということを考えながら・・・2016年11月22日に放送された「ガイアの夜明け」の内容がショッキングだったことを思い出してました。

バター不足さらなる闇

バターが圧倒的に不足した原因は何なのか?っていうことにフォーカスした番組構成だったんですけど、ホクレンの部長さんが、

「バターの供給を減らすことで品薄状態にして、飢餓感を煽り高騰した価格で買い増しさせて儲ける」

というような内容を語っていたのに驚いたのを今も覚えています。

で、今回はその続編が放送されるということで、あとで何度も見直せるようにきっちり録画して見ることにしました。

バター不足と価格高騰の背景

僕のような一般の消費者からすれば、その業界独特のシステムなど知るよしもないので、製品価格が上がったり下がったりする理由がよくわかりません。

今回の放送では、兵庫県尼崎の「ケーキハウスショウタニ」さんのインタビューを使ってその仕組みを解説してくれていました。

このお店は北海道のバターや牛乳にこだわってケーキを作るというポリシーでやっておられるそうなんですけど、国産バターが調達しづらくなってきているのでフランス産で代用してはいるものの、価格が高いということで利益確保の厳しさを感じているとのことでした。

例えばフランスのバター。

フランスでは販売価格600円/1kgの製品が、日本では2000円/1kgに跳ね上がるんだそうです。

なぜかと言うと、海外のバターを独占的に取り扱うことが認められている組織である「農畜産業振興機構(エーリック)」が、国産バターの値崩れを防ぐのを目的として、輸入バターは余っているのに国がどんどん入札しているから。

この組織の役員の8割が農水省のOBなどの関係者で、入札による2015年度の利益は82億円にものぼるんだとか。

輸入バターの価格高騰に関して農林水産大臣は「問題なし」とコメントしているものの、バター価格は値上がりし続けているのが実情で、10年間で4割近く上昇したんだそうです。

デフレ真っ只中の失われた20年の中でここまで値上がりしたものって、他には思いつかないですよね。それだけちょっと異常なんだということがわかります。

生乳の流通の流れ

まず酪農家さんが生産した生乳は指定団体と呼ばれる組織が買い取ることがほとんどなんだそうです。

この指定団体は全国に10あって、すべてJA系組織が運営しています。

酪農家が牛から絞った牛乳 → 指定団体 → 乳業メーカーが製品化

という流れで私達の家庭に牛乳が届くわけですね。

ちなみに、指定団体にすべてを出荷した酪農家のみが補助金を受け取れることになってるそうです。これって独占禁止法にひっかからないのかな?と思ってしまいますよね。

海外のバターの価格が高いというのは、国産バターを保護するという意味からもまだ納得できるんですけど、実は国内でバターを作っても利益が少ないどころか赤字になることも多いそうです。

というのは、「用途別乳価」がきちんと機能してないからなんですね。

用途別乳価とは?

指定団体から生乳を買い取るときに作る製品によって買い取り金額が変わるシステム

具体的な買取価格は下記のようになっています。

ミルク:117円 / 1kg
バター:75円 / 1kg
ヨーグルト:87円 / 1kg
チーズ:69円 / 1kg

ところが指定団体がバター用の価格で売ってくれないので利益を出せないのが実情らしいです。

これがそもそものバター不足の原因になっているのは間違いないでしょうね。っていうか、用途別乳価が決まっているのにそれが適用されないなんてまさに闇ですよ(゜_゜)

こういった現状を打破するために動いている団体があります。それが「MMJ(ミルクマーケットジャパン)」です。

MMJ(ミルクマーケットジャパン)との契約で売上アップ

MMJ(ミルクマーケットジャパン)は「指定団体より高く買い取り安く卸す」というコンセプトで活動しています。契約農家は全国に約60軒で、指定団体への出荷よりも売上が大幅にアップするようです。

番組では、釧路市阿寒町で福田牧場を営む酪農家の福田貴仁氏さんの密着レポートを行っていました。

福田氏は生乳の出荷先を指定団体ホクレン()からMMJに変更を考えて、阿寒農協に相談に行ったのが2016年7月でした。(生乳流通の半分以上を握る農協系組織)

このとき、阿寒農協組合長は「リスクは背負ってもらう」と返答したそうですが、福田氏はMMJとの取引が業界の改革につながると考えて、5億5千万円を銀行から借り入れて新しい牛舎を建てました。

MMJへの出荷で年間売上が600万円アップするという計画の素晴らしさを認められて、銀行が貸付をしてくれたようです。

ところが、農家の指定団体からの離脱を危惧したホクレンが、組合員に対して

「2017年4月より生乳の買い取り価格を2円60銭アップする。」

という通達を出してきました。これによってMMJとの価格差が一気に縮まることになります。

ホクレン:88円 / 1kg → 90,6円 / 1kgになる
MMJ:92,5円 / 1kg

農協の新ルールがえぐい!

さらに6月2日の阿寒農協総会で決議された新しいルールがえぐいんですよ。その総会のやりとりはこんな感じでした。

野村宏阿寒農協組合長:『「賦課金」については牛乳の販売物に対して50銭かかる』
福田氏:「農協に出荷しないのになぜお金を徴収するのか意味がわからない」
別の農家:「MMJには出荷出来ませんよということと同じ」と反発

賦課金:生乳の出荷量に応じ、組合員から「キロあたり50銭を徴収する」という新しい制度

この制度によって福田氏は年間120万円以上が農協に徴収されることになってしまいます。

こんな無茶苦茶なシステムがまかり通るなんて、ちょっと考えられないですよね。今日報道があったところなんですけど、暴力系組織の、銀座の飲食店からのみかじめ料徴収と根は同じだと感じてしまいました。

農家さんの利益をアップさせるためのルールならどんどん作ってもオッケーですけど、これは悪代官並みのやり方としか思えません。

しかも、この総会を取材しようとしたガイアの夜明けのカメラは締め出しを食ってしまってましたしね。こんなことをすれば、不透明なことが行われてるんじゃ?って勘ぐってしまうのが普通ですよね。

MMJと契約して成功している農家さん

ベイシア西武モール店で売れに売れている「北海道別海のおいしい牛乳」178円(税込)という製品があるそうです。

この牛乳は有名銘柄より50円程度安いのに、かなり美味しいと評判になっています。メーカーがMMJから生乳を安く仕入れることが出来ているのが、安価で販売できる秘密なんだとか。

この牛乳の生みの親は中山氏と島崎氏のふたりで、指定団体の製品はいろんな農家の生乳を混ぜ合わせて味の均一化を行っているのに対して、ブレンドしないことで美味しさをキープしているそうです。

また、

  • 独自のエサで味や品質をアップ
  • 全体の1割だけジャージーとホルスタインの交雑種の生乳を混ぜるのが味の決め手

ということのほかに、アメリカの飼料会社を直接取り引きして経費削減しているようです。2年前に出荷先を指定団体からMMJに変更したことで利益も増えているみたいですね。

台湾への輸入も独自で販路を開いたようで、とあるスーパーでの1ヶ月のテスト販売の結果、450店舗での販売が決定しました。

各国の牛乳がずらりと並んでいる中、「北海道別海のおいしい牛乳」は196元(約720円)ともっとも高い価格(台湾製品の約2倍)にもかかわらず、濃厚でさっぱり、香りが高いと高評価を得て棚に並べた30本がキレイに売り切れていました。

指定団体もホクレンも、このように海外販路を作ってくれるわけではないので、フットワーク軽く動けることは、農家にしてみれば大きなビジネスチャンスが訪れることにもなるんですね。

バター不足を解消するために

MMJ(ミルクマーケットジャパン)の社長・茂木氏は、オーストラリア領事館・ロナルド・グリーン領事やコンサルタントと共に、オーストラリアの技術を使ったバター工場を日本に作る計画を練っているそうです。

高品質で安価なバターが増えれば、バター不足の解消に役立ちますし、農家さんに新しい扉が開くことになるので楽しみですね。もちろん消費者にとってもメリットが増えることは当然です、

生乳にかぎらず規制というのは、製品の安定供給というメリットがある反面、高い価格で購入しなければならないというデメリットも生みます。

ですけど、特定の団体や組織が暴利を貪るようなことはあってはならないですから、無意味な規制は取っ払って風通しの良い状況になってくれればな~と思います。

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