クレ山

【クレ山】3ヶ月連続配信シングルを聴いてみたレビュー

投稿日:2018-10-27 更新日:

【クレ山】3ヶ月連続配信シングル

新生クレ山が、さらなる高みを目指して敢行している「3ヶ月連続シングル配信」。

じっくり聴いて、僕なりの感想を書いてみました。

クレ山を知っている人も知らない人も、その魅力にどっぷりつかってみてください。

・第一弾:「10,000 -Ten thousand-」
・第二弾:「Bouquet」
・第三弾:「Beyond The Edge」




Beyond The Edge

Beyond The Edge
とりあえず、イントロで仕掛けてきてますね~。笑

バスドラが8拍目のウラから入っている(というか、16で刻んで16拍目・・・のはず)ことで、16ビートを刻んでいるギターのシングルノートのアクセントとズレが生じて、「おや?」と思わせるアレンジトリックが使われています。

実は僕、こういう拍数がズレていくパターンというのが、いまだによく理解できてないんですよ。

イントロの途中のどこで辻褄が合ってくるのか、演奏している人たちは、何をリズムの基準にしてるのか・・・などなどが分からないんですよね。なので、今度ライブあとにでもメンバーに質問して、詳しい説明をしてもらおうと思います。笑

テンポが激むずな曲

このくらいのテンポっていうのは、演奏するのがめちゃくちゃ難しいので、あえてそれに挑戦したのは称賛に値しますね。

我々のようなアマチュアレベルでは、リズムキープが非常に難しく、演奏中にどんどん走っていく(速くなる)のが関の山なんですが、ライブで決まると壮大さを演出できるというメリットがあります。まさに、プロの腕の見せどころと言うか、玄人好みのテンポだと言えるでしょう。

横ノリの曲というのは、古今東西、老若男女が乗れるので、ライブでの一体感を作り上げることもできます。そういう意味では、クレ山はまたまた新しい武器を手に入れたと言えるのではないでしょか。

アレンジとサウンドメイクについて

ベースの音がいいですね~。

バスドラの音とスネアのリバーブとのマッチングも素晴らしく、ぶっとくて温かいベースサウンドは、西山くんの理想に近い仕上がりになっているはずです。

さらに、Aメロのリズムパターンは「これぞベースの醍醐味」と言えるフレーズがぶち込まれていて、聴いていて快感度マックスです!Bメロのグリッサンドもかっちょいいですね~(*´∀`*)

ベースの音使いを中心とした、空間が果てしなく広がっていくようなアレンジは、 U2のエッセンスを感じることができますし、Bメロのライトチャンネルのギターのトレモロっぽいサウンドメイクも秀逸です!レフトチャンネルのコーラスがかかったギターの音色は美しいですね。もちろん、それ以外のギターサウンドも素晴らしい!

ドラムのサウンドも、3ヶ月連続リリース曲の中では、イチバン好みです。ボンのプレイの安定感もマシマシです。

コード的には、前曲、前々曲同様、今回も分数コードがよく練られている部分と、ベースが 半音で動くところや 、サビ後半のオーソドックスな展開の部分がバランスよく仕上がっていますね。

ただ、1番のサビ最後のベース音(1分51秒あたり)は別の音を選んでほしかったな~というのが正直なところ。というか、ベースだけでなく、別のコードをはめるのもアリだったのでは?という印象を持ちました。最後のサビの同じ箇所については、8ビートを刻んでいることで気にならないんですが、 1番の白玉のこの部分だけが、ちょっとイナタイかなという気がしました。

手元に楽器がない上に、絶対音感がないので、具体的に何の音が鳴っているのか、何のコードが使われているのかについては確認できていませんが、トニックに解決せずに、 浮遊感を作り出すというのが今回の曲のテーマのひとつだったと思うので、いっそのこと、バリバリのテンションノートで「あれれ?」と思わせる大胆さがあってもヨカッタかなと。

まぁ、1番からそれをやってしまうとリスクも大きくなるので、あえてシンプルにあの音を選んだと考えられるわけですが・・・。シンプルなメディアムテンポの楽曲で、奇異に聞こえる音選びは、やっぱり止めといたほうが無難なのかもしれません。個人的には、コードが許せば、9thの音で終わるとかが気持ち悪くて好きなんですけどね。笑

結論としては、2番以降との絡みもあるので、あえてこの音を選んだんだろうなというところに考えが落ち着きました。(なんじゃそりゃ。笑)

アリーナクラスの箱のライブで盛り上がる曲

先日、パンパンに入ったアリーナで、両手を上げたオーディエンスが、演奏がブレイクしてアカペラだけになった「曙」のサビを大合唱する・・・・という夢を見たんですが、この曲もそういったシーンがバッチリ似合う楽曲だと感じています。

ブレイクして、ギターリフだけになってからと、エンディングの♪ラララ~は、照明が落ちたアリーナで、ペンライトが放つ光が一斉に揺れているシーンが、容易に想像できてしまいますよね。

その時の照明は、ステージ後ろからの目潰しで、客席からはメンバーに後光がさしているように見えて、ステージ上からは、大合唱の観客が見えてメンバーが感極まる・・・っていうのが良いですね(*´∀`*)

いや、それだとペンライトの美しさが無意味になってまうか。。。

個人的には、アリーナツアーでは、シャケさんの「原始神母」を手がけているO山さんに、照明を担当してもらいたいっす。

マルフォイの歌唱

なんかね、最近思うんですよ。

フロントマンとしてバンドを引っ張るのがボーカリストの重要な役割のひとつなんですが、マルフォイの存在感や、歌に対する捉え方に大きな変化が起きてきているなということを。

昔のばいしょうのバンドではないので、バンドのメンバーの間に序列なんていうものは存在しないのは当然なんですが、マルフォイがクレ山を引っ張っている感がすごく出てきたなと感じています。

ココ最近、うすうす気づいてはいたんですが、今回の「Beyond The Edge」の歌い方を聴いた瞬間、その印象がさらに強くなったんですね。

3ヶ月連続配信の前2曲が、センチメンタリズムを打ち出していたこともあって、感情を込めて歌うということをしていましたよね。その流れから行くと、今回のような壮大な曲では、違った意味で熱を込めすぎて歌いがちですが、それをせずに、噛みしめるように歌うという選択は、視聴者にどのように伝えていくか?ということを入念に考え抜いた結果だと思うんですよ。(もちろん、マルフォイの楽曲に対する理解度の高さも大きく関係しています。)

力を入れすぎるわけでなく、かと言ってリラックスしすぎているわけでもなく、淡々と語るかのような歌い方が曲の内容とピッタリ合っています。

どういう言葉を選んで、どういう歌い方をするかによって、伝わり方は大きく変わってくるものです。なので、徹底的に頭をフル回転させて、「最大限に伝える」ためのチョイスをするのが、ボーカルの役目です。

そう考えると、今回の歌詞と歌唱方法はベストマッチングだと思いますし、メンバー間でも「マルフォイ、やるな(ニヤリ)」的な感覚はあったはずです。

クレ山のフロントを安心して任せられるボーカルとして、メンバーもスタッフもファンも納得しているでしょうし、ボーカリストとしても作詞家としても、さらに高みに登ったなという印象が強いですね。

まとめ

♪泥まみれの意地、背負い直して」という歌詞にあるように、クレ山にとって、新たなる決意表明となっている1曲です。

歌詞も、富士山登山という経験が活かされていますし(そう言えば、月1登山企画はどうなった?笑)。すべての経験は無駄ではなかったんだろうなとわかりますね。

わけのわからない評論家なら、「背中押し系ソング」というようなククリで語るのかもしれませんが、そんな一言では言い表せないくらい、いろいろな思いが詰まっている楽曲だと思います。

 

ライブのときは、この曲で緑のペンライト振りたいなぁ。クレ山グッズのラインナップに、ペンライトが追加されることを願ってますが、そうならなくても、個人的にネット通販で購入して、ライブで振ろうかな。笑

ところで、今回の曲タイトルは、今年公開されたロシア映画「Beyond The Edge」と関係・・・ないよね、やっぱり。(゜_゜)

【追記】

8月11日のツイート動画で、エベレスト登頂の映画で「Beyond The Edge」という作品があることに、マルフォイが言及していました。

リリックビデオはこちら


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Bouquet

Bouquet
3ヶ月連続配信の2枚目のシングルです。11/28(木)配信リリース。

正直、最初聴いたとき、「この曲のメロディは、クレ山がやらなくてもいいのにな」と思ったんですね。なんというか、クレ山らしくないと感じたんですよ。

でも、よくよく考えてみると、それは新しいクレ山のカラーを打ち出しているということに他ならないわけですし、ひいては新しいファン獲得のための布石となるんだなと考えを改めました。

さらに考察を続けていくと、この2つがポイントになることに気づきます。

ポイント

1.なぜ、「10,000 -Ten thousand-」に続いて、Heavenstampのトモヤ氏にメロディ制作を依頼したのか?

2.なぜ、3ヶ月連続配信の2曲めに、この曲をもってきたのか?

まず、

1.なぜ、「10,000 -Ten thousand-」に続いて、Heavenstampのトモヤ氏にメロディ制作を依頼したのか?

について。

これはもう、完全に「今までのクレ山から脱皮して、新しい扉を開く」ためには、外部のエッセンスを注入するのが最も効果的だと考えたからでしょう。

前作、「10,000 -Ten thousand-」で、それが成功したことは明らかなので、現場のテンションはかなり上がっていたはず。まだ、ライブでこの曲を聴いたことはないのですが、明らかに今までのクレ山になかった空気感を醸し出せていることが、容易に想像できます。

そして、

2.なぜ、3ヶ月連続配信の2曲めに、この曲をもってきたのか?

という点について。

まだ、残りの1曲を聴いていないので、結論を出すのは早計なんですが、長尺のライブを行うときのことを想定すると、「10,000 -Ten thousand-」を軸として展開させる時間帯が組まれるのは明白。

そのときのセットリストの流れを考えると、他の曲から「10,000 -Ten thousand-」の世界観に切り替えるのは、なかなか難しいと思うんですよ。

では、どうすれば世界観を切り替えることができるのか?と言うと、

A.MCを挟んでからのスローバラード
B.アップテンポなマイナーナンバーをたたみかける

という2つの方法がよく使われる手法ですよね。

「Bouquet」はBのパターンに当てはまるので、場の雰囲気を変化させるためには、絶対に必要な楽曲だということがわかります。

もちろん、それだけの意味で作られたわけでないのは当然ですが、「Bouquet」が担う役割としては、このあたりも考えて作られているはずっす。(たぶん)

ライブでのセットリスト

実際に、2018.11.29の新宿Marbleでのライブのセットリストを見ると、このようになっています。

2曲が続けて組まれていますよね、ちなみに、このセットリストを見てから、上記のように考えたわけじゃないですよ。笑

以前、「『10,000 -Ten thousand-』でメランコリック・センチメンタルを手に入れた」と書きましたが、「Bouquet」はその延長線上にあるといえる楽曲ですよね。

ライブでは、まだ、流れにちょっと違和感がある気がしますが、ここに来月ドロップされる曲が入ってくると、「メランコリック・センチメンタルタイム」が完成するんだと思います。

なので、ライブの中盤がすぎた頃に、このセンチメンタルな世界観を作り上げておいて、後半はいっきに盛り上がる曲で畳み掛ける・・・というライブの構成を想定しているのでは?と思うのです。

この流れが最大限に生きるのは、やはりパフォーマンス時間が1時間以上のワンマンライブということになりそうです。

マルフォイの作詞能力を今回も堪能できる

マルフォイは、自分の伝えたいことを歌詞に落とし込むという作業のコツを掴んだんじゃないでしょうか?

ミュージシャンにも、「メロディはいくらでも出てくるが、詞がでてこない」という人は結構いるそうですが、マルフォイの場合はそういう気配を微塵も感じさせないですね。

もちろん、本人は産みの苦しみを感じていて、必死に絞り出しているのかもしれませんが、チョイスされている言葉や構成を見る限り、「脳内で出来ているイメージがスムースに具現化されている」と感じます。ひとつのキーワードを多面的に捉えて、比喩として使う才能は本当に素晴らしいですね。

今回の「Bouquet」には、おそらくこういった裏テーマもあったと思うんですよ。

SMAPの「世界にひとつだけの花」へのアンチテーゼ

先程引用したツイートでも、マルフォイが言及していましたが、最初からあの歌詞に違和感を感じていた(のかな?)マルフォイが、いつか自分なりの返答を歌にしようと温めていたような気がします。

「君は君らしくあれと僕は育てられたけど・・・」というセンテンスから始まり、自分らしく生きることの難しさを吐露しているあたり、「胸を張って自分らしく生きるのは難しい」と感じている人たちの代弁者と捉えることも出来ます。

  • 押しつぶした(=押し花)
  • 干からびた
  • 水をくれ

というふうに、自分を花に置き換えて、生きるのにもがいている様を綴っているところに、激しく共感する人は多いんじゃないでしょか。

また、

♪世界にひとりだけの僕らは同じ花束の中
♪違う色の僕らは、気づけば同じ花束の中
♪世界にひとつだけの夢で溢れた花束の中

このサビの歌詞は、まさに「世界にひとつだけの花」への返答だと捉えることが出来、非常にシニカルなものに仕上がっています。

ベースにあるのは、「オンリーワンになれる人間ばっかりじゃない」ということで、マルフォイがイチバンに伝えたかったことは、このことだったのでは?と思えるのです。

高校時代、尾崎豊に傾倒していた僕が、この歌詞に尾崎の楽曲と同じ匂いを嗅ぎ取ったんですが、それは、「自分の存在意義を突き詰めている」という共通項があったからです。

尾崎豊の「自分の行動を卑下してからの肯定」系のニュアンスを含んでいる・・・そう強く感じたんですね。

こうやって、歌詞の内容について考察していくと、最初、クレ山らしくないと感じたのが、ウソのように無くなっていきました。

クレ山らしさって何?

そもそも、クレ山らしさって何?って考えてみると、言語化することが出来ないんですよ。

例えば、「全力オフサイド」「赤いレンタカー」「トレイルラン」の3曲を並べて人に聴かせたときに、クレ山らしさを完璧に説明できる人なんて、この世にいないでしょうしね。

ということから考えると、クレ山のメンバー(とスタッフ)が、精魂込めて生み出した新曲こそが、「その時のイチバンのクレ山らしい曲」なんじゃないかと。

少なくとも、クレ山チームが、最高のものを作ろうと努力を重ねていることは、「自分たちこそが、世界にひとつだけの夢で溢れた花束の中から、ひとりでも多くの人に見つけてもらおうともがいている花」だということにほかならないわけで、その気持こそがクレ山らしさなんだと思います。

アレンジと演奏について

エンジニアさんの力量も大いに関係しているのですが、定位とかバランスが良いので、気持ちよく聴くことが出来ます。

どうしても、新加入のドラムのボンのプレイを探るように聴いてしまうんですが、西山くんとのコンビネーションも、もう何年もやってきたかのような息の合い方ですね。特に、Aメロのベースとドラムのリズムワークは、本当に素晴らしい。

ドラミングに関しては、間奏の8小節(約23秒間)のプレイは、ライブでのハイライトになりそうですね。

これって、シングルストローク(一つ打ち)なので、相当大変なはず。ダブルストロークにしなかったあたりに、ボンのこだわりとプライドが感じられます。

しかも、ライブのときに、23秒もこのテンポで打ち続けるためには、リハーサルやスタジオでなら、2分くらい継続するだけのスキルが必要なはず・・・。こういうところに着目すると、ボンのドラミングのクオリティの高さがよくわかりますね。

そして、ギターのふたり。

完全にお互いがやりたいことを理解しあっているのがわかりますね。

レイくんが以前、「自分の伝えたいことを前さんは完全に理解してくれる」というニュアンスの発言をしていましたが、この曲も、アレンジの割り振りでもめたりはしなかったんじゃないでしょうか。

ただ、マイケルシェンカーで育ってきた僕としては、「哀愁のあるメロディには、印象的なギターリフを求める」という傾向にあるんですよね。

なので、カッティング系のプレイ以外の、リフで曲全体を支配するという曲もほしいですね。ここは、前さんとレイくんに強くお願いしておきたいところです。

リリックビデオもアップされています

ちなみに、リリース前日の11月27日にリリックビデオの配信が開始されていました。

来月リリースの曲は、「10,000 -Ten thousand-」「Bouquet」のイメージを踏襲しながらも、かなりの壮大なスケールを持ち合わせた曲をぶっこんでくるんじゃないかと、にらんでおります。

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10,000 -Ten thousand-

10,000 -Ten thousand-

3ヶ月連続配信の一発目のシングルです。10/24(水)配信リリース。

一言では説明するのは難しいけど、あえて一言で表現するなら「直球の失恋系ラブソング」って感じでしょうか?

僕の知る限り、クレ山が、これほどまでにがっつりラブソングっていう曲をドロップしたのは、この曲が初めてなのではないかと。(ラブソングは既存で6曲ありますけどね)

しかも、最初に作ったのが、恋愛成就ハッピー系ではなく別れの歌ってところが、クレ山らしくってよろしいな。笑

過去に発表された曲は、学生ノリっぽい雰囲気の内容のラブソングが多かったのが、ここにきて、ぐっと大人の恋愛を描いた内容になっていることで、クレ山の新しい魅力を引き出すことに成功しています。

ちなみに、この曲が作られることは、このときにすでに決まっていたのかも?

HeavenstampのTomoya.SさんとSally#Cinnamonさんが、作詞作曲の共作、共同プロデュースで参加しているそうです。

10月28日に、完パケ版のリリックビデオがyoutubeにアップされました。

新しく広がったクレ山の世界観

今までクレ山が持っていた武器というのは、主にこのふたつだったと思うんですね。

  • ファニー:「愛の円盤」のような面白く盛り上がれる曲
  • ブレイブ:「トレイルラン」に代表される背中を押し勇気をくれる曲

これに加えて、当楽曲で「メランコリック・センチメンタル」を手に入れたと言えるのではないでしょか。(あとは「ヒーリング」が追加されるともう無敵。笑)

少なくとも、「クレ山は、楽しくて元気が出る楽曲だけではない」という印象を強く打ち出せたことは確かで、歌詞の内容が男性目線でありながら、女性の心も鷲掴みにすることは確実な内容に仕上がっています。

口ずさんだときに胸の奥の背中の手前あたり(ややこしい)がざわついたのは、秦基博とsuperflyが、スピッツの「楓」をカバーしてデュエットしたのを聴いたときと、コブクロの「風」を聴いたとき以来です。

ただし、この2曲はバリバリのバラードなので、テンポがあるこの曲でそういう感覚になったのは、ほんとにすごいことだと思うわけです。

それにしても、トレイルラン以降にリリースした曲の完成度はヤバすぎますね。

マルフォイの実体験に基づくストーリー

マルフォイが、ツイッターの質問箱で、この曲は実体験に基づくものだという回答をしていました。

そこで、恋愛三部作(「あっためてくれ」「STEP BY STEP」「赤いレンタカー」)を並べていくと、この曲は時系列で言えば、「赤いレンタカー」の次になるのかも?と考えたんですが・・・。

三部作とは関係なく、「愛の円盤」で「♪そのままの私を食べて」と言っていた彼女との後日談なのか???と思ってみたり。

あれこれ考察してみた結果、僕の結論としては「『Mr.オンタイム』に登場する彼女との話かもしれない。」というところに落ち着きました。

というのも、「Mr.オンタイム」で、女性が彼氏を待たせまくったことは、別れの布石だったのでは?と考えたからなんですね。

時として女性は、自分の感情を冷酷な行動で表現することがあるので、「毎回デートに遅刻する=あなたへの愛は冷めていることに気づいて」というアピールだと解釈するのが、僕の中でしっくりきたっていうのがその理由です。

「10,000 -Ten thousand-」で、夢を追いかけて主人公のもとを離れていった彼女としては、「夢のために」というエクスキューズが、別れの良いきっかけになると考えていてもおかしくないなと・・・・。まぁ、さすがに、そこまで計算している女性と、この曲で主人公が愛している女性のプロファイルは一致しない気がするので、考え過ぎなんでしょうけどね。笑

マルフォイの作詞能力が開花しているのも見逃せない

この曲のタイトルを初めてみたときに、ヴァネッサ・カールトンの「サウザンドマイル」を思い浮かべたのは僕だけじゃないと思うんですが・・・。

ふたりの間の物理的な距離だけを歌った「サウザンドマイル」を、さらに一歩すすめて、10,000キロという距離だけでなく、10,000文字、10,000日というふうに「1万」をサブテーマにまで落とし込んでいるところに、非凡さを感じます。

「1万」に呼応するように「1番(暗い)」とフレーズで韻を踏んでいるあたりも、本当にすばらしいテクニックですね。このへんは、当たり前にラップを聴いて育った世代ならではの作詞力なんでしょうね。

そして、聴き込むまでもなく、歌の中に登場するふたりの光景が鮮明に頭に浮かんでくるのがすごい!

実はこれ、めちゃくちゃ難しいことなんですよね。

映画の撮影っぽく「カメラが遠景から近景にズームしていく」という手法は、情景をイメージさせるのに最適で、「よこはま・たそがれ」で使われていたり、秋元康氏が多用していたりしますが、マルフォイの場合は、「主人公が、彼女とのひとつひとつの場面を思い出している」というカット割りを、絶妙のセンスでつなぎ合わせることで、それを成功させています。

歌を聴いて情景が浮かぶという点において、松本隆氏や松任谷由実氏の域に近づきつつあるのでは?とおおいに感じるのです。

特に目を見張ったのはこの部分。

♪手のひらの中、笑う君に伝えたくてもうできなくて、スワイプしたら消えてしまうような愛じゃなかったのに

スマホ・SNS時代ならではの歌詞なんですけど、このセンテンスの中に詰め込まれている、いろいろな感情までが、聴いている側の脳内に突き刺さってきます。いや、もう天才。

マルフォイは「詞を作る作詞」をしているのではなく、「詞を編む編詞」をしてるんじゃないかと思わされてしまいますね。

演奏・サウンドについて

プロのバンドに対して失礼ながら、この1年で本当に演奏力がアップして、素晴らしいバンドになっているな~と感じています。

多くのライブをこなしたあとレコーディングをすると、演奏力が一気に上達するものですが、クレ山もその例に漏れず、目に見えてスキルアップしているのが手に取るようにわかりますね。

なんていうか、押し引きが絶妙になったというか、全体のバランスがよくなって「マルフォイの歌をしっかり聴いてもらおう」という意思が感じられるんです。

ボーカルバンドにとって、演奏陣のこういう意識というのは、肝というか根幹になってくるものなので、ここをしっかり抑えている点は見逃せないですね。

あと、ギターとドラムのスネアのサウンドがGood。特にレフトチャンネルの、シングルノートのギターの音なんて最高すぎでしょ!

ベースも埋もれることなく、バスドラとマッチしながらしっかり存在感を見せているところもナイスですね。このあたりは、レコーディングエンジニアの人と侃々諤々やりあったんじゃないでしょうか。

新加入のドラムのボン(ご本人がボン・ジョビが好きということと、ルックスがアメリカのドラマに出てくる裕福なご子息っぽいことから勝手に僕が命名)のプレイもグレイト!

あと、Aメロの後ろでパーカッシブな音が鳴っているんですけど、これなんてまさに現代の音ですよね。

シーケンサーでパーカッションっぽいサウンドを鳴らしているといえば、babyfaceの例のサウンドが有名ですが、スマホのタップ音に慣れ親しんでいる世代にとっては、こういった中低域がメインになったサウンドが耳障りが良いのかもしれません。さらに、ギターのサウンドともバッチリ合わせてきているので、入念に寝られたサウンドメイクなんだろうなと想像できます。

「♪眠たくなって肩にもたれた」の前に、1回だけ入れたコードもめちゃくちゃ良いですね。特にベースの西山くんがこの音を選んだことは、マジでセンス100!これで回想のイメージを一気に作り上げることができてます。

映画やドラマと違って、音だけで場面転換を表現しなければならない音楽は、アイディアや技術のハードルが高いものですが、こういうふうにコードいっぱつでそれを成功させるのは、なかなかできることではありません。う~ん、すんばらスイートです!

まとめ

♪僕が触れた長い髪も、いつしか軽やかなショートに

という歌詞に影響されて、ロングからショートにする女の子も何人かいそう(それだとマルフォイと別れてしまうからアカンのか。笑)

この曲に対するアンサーソングを、女性ボーカリストに歌ってほしい。青山テルマ?いや、ちゃうな・・・あれこれ考えてみると、実はこの曲自体が、西野七瀬の「ひとりよがり」のアンサーソングだと考えると、ものすごく腑に落ちるという気もするんですよね。

 

「最近のJ-POPは裏声を使えば良いと勘違いしている風潮にある」とお嘆きの貴兄にこそ、ぜひ聴いてもらいたい楽曲です。

本当にメロディが要求するファルセット(サザンの「慕情」しかり)を聴くことができるという点において、ぽっと出の若手バンドとはひと味もふた味も違うということを知ることができるでしょう。

ゴダイゴでロックに目覚めて以来、ほぼ洋楽しか聴いてこなかった僕が、ここまでクレ山にはまりこんでいるのは、このへんが大きく関係してるんですね。

3ヶ月連続配信のいっぱつめとして、想像以上の楽曲をぶっこんできたので、残りの2曲も超絶ド級に期待大です。そのなかに、3拍子の曲があれば嬉しいんですけど、さてどうなるでしょ?

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